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【陸上競技】競歩って面白い! その魅力・疑問・日本の強さを解説

競歩

競歩の観戦ってとっても面白いんです!

でも、テレビで見る機会がオリンピックと世界選手権しかなくて、さみしいです。

どうも、コンザツ(@kon_zatsu)です。

この記事を執筆している2019年3月17日(日曜日)、石川県能美市で第43回全日本競歩能美大会が行われ、好記録が続出しました。

競歩ファンとしてとても嬉しい一日。

でも、競歩の魅力ってイマイチ世間に浸透していません。

この記事では競歩の魅力を伝えるべく

  • 競歩のルールと失格
  • 競歩の魅力
  • 近年の日本の競歩の状況
  • 有力選手とチーム
  • 競歩の未来

についてまとめます!

競歩の基本のキ ルール

歩型を守らないと失格になる

競歩はただ歩く速さを競うだけの競技ではありません。

ルールの範囲内で「歩き」、タイムを競う競技であり、他人の目がしっかり厳しく入ります。

競歩は、歩型違反で3回警告を受けてしまうと失格になります。

最後の1kmは1回の警告で一発失格になります。

ラストスパートで歩型を崩してゴールする、なんてずるいことはできない仕組みになっています。

2種類歩型が決まっていて、それぞれではなく合計3回の警告で失格となります。

イエローのパドルは注意であり、注意は何度受けても警告や失格には関係しません。

最近では失格ではなく、一定時間ピットに入って再度レースに戻るという場合もあります。

ロス・オブ・コンタクト

ロスオブコンタクトは、

競歩は必ずどちらかの足が地面に接地していなければならない

というルールを守れなかった時の違反をさします。

ベント・ニー

前足が設置の瞬間からからだが垂直になるまでの間にひざが伸びていない状態がある

というのがベントニーという違反になります。

競歩が私たち一般人が一般的に歩くスタイルと違って、ぐにゃぐにゃしているように見えるのは、このふたつの違反をしないためです。

これを読んで気になった方、ぜひこのふたつを意識して歩いてみてください。

素人でもあの形に近い歩き方になります。

ルール違反に見える時があるけど……?

テレビのスロー映像や、ニュースの写真を見ると、選手の両足が浮いている瞬間が映ることがあります。

しかし、そういった選手たち全員に警告が与えられるかというと、そうではありません。

競歩は

「審判が目視で違反だと判断した時に警告を与える」

というルールがあるため、両足が浮いたり、膝が曲がっているような映像や画像があっても、警告が与えられていない場合があります。

同じ審判から同じ選手に警告できるのは一度だけ。

ルールの範囲内で審判がしっかり見て、判断しています。

競歩が1kmや2kmの周回コースなのは、審判を効率よく配置するためです。

マラソンみたいなコースだったら、一体何人の審判が必要になるのやら……!?

このシステムに疑問のある方もたくさんいますが、現状このようなルールで競歩という競技はしっかり成立しています。



競歩の魅力 精神と肉体のせめぎあい

競歩の魅力。

日本は今、競歩とても強いです。

強いんですが、いまいち盛り上がりに欠けています。

マスコミもなかなか取り上げてくれない地味な競技になっています。

でも、私は競歩を見るのが大好きです。

現地観戦に行くほど好きなんです。

なぜ私が競歩観戦に行くほど好きなのか、理由はひとつです。

精神と肉体のせめぎあい

です。

タイムを競うスポーツなので、誰よりも速く歩きたいですし、自己記録を更新目指す方だってそうです。

一秒でも速くゴールにつきたい、でも、それができないのが競歩です。

速く、速く、と前だけを見て歩けば、必ず歩型が崩れます。

歩型が崩れれば、失格にならないように慎重に歩かざるを得なくなりますし、その後に警告を重ねれば失格やピットインすることになってしまいます。

冷静に熱く、失格にならないように速くゴールを目指す、そこに私はなんとも言えない熱さ、人間、スポーツの面白さを感じます。

「近くで大会があるし、ちょっと見に行ってみようかな?」

という方はぜひ、見に行ってください!

「えっ、これ本当に歩いてるの!?」

という速度で選手たちが歩き去る姿に驚きつつ、その魅力のとりこになるはずです。



近年の日本の競歩が熱い!

女子は少しさみしい状況が続いていますが、男子がとても熱いんです!

鈴木雄介選手が20kmW(WはWalk、競歩は英語でRace Walk)で2015年に1時間16分36秒の世界記録を樹立します。

この少し前から日本の競歩の風向きが良くなっていました。

それまでは1時間20分前後が20kmWの日本人選手トップの記録であることが多かったのですが、この頃には1時間20分を確実に切りらないと国内の主要大会では優勝ができなくなっいたのです。

風向きが良くなったのは20kmWだけではありません。

先に五輪のメダルを獲得したのは50kmWです。

2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックで荒井広宙(あらい ひろおき)選手が銅メダルを獲得。

荒井選手は翌年2017年に行われた世界選手権では銀メダルを獲得するなど、素晴らしい活躍を続けています。

その世界選手権で銅メダルを獲得したのも日本の小林快(こばやし かい)選手です。

20kmWはなかなかメダルに届かないものの、今も世界レベルの記録を出し続けていて、オリンピックや世界陸上に1人しか派遣できなかった時代があったのが嘘だったように思えるほど、国内での競争が激化しています。

女子もそうなってほしいです。



有力選手と有力チーム

有力選手が多い実業団は富士通と愛知製鋼

競歩の有力選手が多く所属している実業団は富士通愛知製鋼です。

富士通はもともと競歩に力を入れていて、伝統的に強いチームです。

愛知製鋼は日本の競歩のレベルが上がったのと同時期に、2012年のロンドンオリンピックに出場し、翌年の世界選手権で入賞をした西塔拓己選手が加入。

それ以降、少しずつ選手が増えています。

富士通は競歩以外の種目も、愛知製鋼は長距離種目にも力を入れています。

有力選手が多い大学は東洋大学

箱根駅伝で有名な東洋大学陸上競技部長距離部門に、有力な競歩の選手が在籍しています。

関東学生陸上競技選手権(関東インカレ)では表彰台を独占することもしばしばあります。

長距離を走る選手たちと同じ寮に住み込み、競歩選手も長距離部門のスローガンである

「その一秒をけずりだせ」

を口にして、結果を出しています。

今村文男 日本陸上競技連盟競歩ブロック長

今村文男 日本陸上競技連盟競歩ブロック長は、東洋大学出身で富士通に所属しています。

富士通でコーチを務めるかたわら陸連の競歩ブロック長として日本の競歩界をチームや学校の垣根を超えて支えています。

今の日本の競歩が強くなっている要因のひとつに、今村さんの存在、尽力があると思います。

荒井広宙選手(2019年4月から富士通)

荒井広宙選手は、前述の通り、50kmWでオリンピック、世界陸上のメダルを獲得している選手です。

有名な大学を出ているわけでもなければ、実業団チームで特別な待遇を受けていたわけでもありません。

コツコツと練習を積み重ね、競歩が盛んな自衛隊体育学校に入校、そこから一気に国際大会でメダルを獲得する選手にまで成長しました。

その後退官し、2019年4月に富士通に入社、所属することになりました。

小林快選手

小林快選手も異色の選手。

早稲田大学時代まで、長距離と競歩を両立させていました。

長距離選手から競歩選手になる、というのが競歩を始めるきっかけとして一般的です。

ですが、大学までにどちらかに絞ることがほとんどです。

小林選手は、本当は長距離に専念したかったようですが、結果を出すことができた競歩にやがてシフトしていきました。

その結果、2017年の世界陸上、50kmWで銅メダルを獲得するに至りました。

当時はビックカメラに所属。

次のチームは……?

【追記】

新潟アルビレックスRCに加入しました!

鈴木雄介選手

鈴木雄介(すずき ゆうすけ)選手は、富士通所属で20kmWの世界記録保持者です。

2015年に世界記録を打ち立てた後、活躍が期待されましたが恥骨炎や股関節痛を発症。

他の出来事も相まって、長く大会出場から遠のいてしまいましたが、2018年に久しぶりに大会に復帰

2019年3月に開催された全日本競歩能美で1時間17分47秒の好タイムでゴール。

4位ではあったものの、このタイムから復活をアピールしました。

レース序盤から積極的にきれいなフォームで歩くのが鈴木選手の持ち味です。

高橋英輝選手

高橋英輝(たかはし えいき)選手も富士通所属、20kmWの選手です。

高橋選手と鈴木選手がバッチバチにしのぎを削った結果、今の日本の競歩の強さが生まれたといっても過言ではありません。

私はこのふたりが競い合い、猛スピードで目の前を歩いていくのを生で見たことがあります。

異次元! という感じでした。

国内では結果を残している高橋選手ですが、世界の大きな大会ではうまくいかないことが続いています。

応援しています!(全員応援してます)

松永大介選手

松永大介(まつなが だいすけ)選手は東洋大から富士通という強豪大学から強豪チームに入った選手です。

東洋大時代にオリンピックと世界選手権を経験。

リオデジャネイロオリンピック20kmWでは「その一秒をけずりだす」歩きで、7位に入賞しました。

松永選手も序盤から積極的に歩くのが特徴の選手です。

大学時代、大学生の大会ではまさに「無双状態」でした。

山西利和選手

山西利和(やまにし としかず)選手は、愛知製鋼に所属しています。

京都大学卒という異色の経歴を持つ、まさに「文武両道」の20kmWのウォーカーです。

(高橋英輝選手も国立の岩手大学を卒業しています)

経歴の通り、とてもクレバーで計算高い歩きをしています。

学業のため、一時競技の比率を下げていましたが、大学卒業後の活躍が目覚ましいです。

2019年3月に開催された全日本競歩能美大会では1時間17分15秒で歩き、世界歴代4位の好タイムを記録し、優勝しました(大会開催日現在)

これからの活躍に期待が高まります!

京大卒山西利和 雑草魂で競歩日本一、世界歴代4位 | 日刊スポーツ

池田向希選手

池田向希(いけだ こうき)選手は東洋大学在学中、20kmWで早くも世界的に結果を出している選手です。

2018年に開催された世界競歩チーム選手権で優勝!

主要国際大会初出場にも関わらず、この快挙。

今後の期待が高まらないわけがない! です。

なぜなら……2018年3月中旬現在、20kmWの国際陸連による世界ランキング1位です!

全日本競歩能美大会では、1時間17分25秒というタイムで歩き切り、日本歴代4位、学生歴代2位の記録を叩きだしました。

競歩「世界1位」の東洋大・池田、能美で「世界」決められず | 4years. #大学スポーツ

川野将虎選手

川野将虎(かわの まさとら)選手は、池田選手と同じく東洋大学に在学中の選手です。

大学2年生ながら、早くも50kmWにも挑戦。

同種目の日本学生記録の持ち主です。

が。

全日本競歩能美大会では、池田選手に1秒先着。

1時間17分24秒は日本歴代3位、学生歴代1位の記録で歩きました。

大学2年生にして、50kmWと20kmW両方の学生記録保持者になりました。

高校時代から頭角を現していましたが、順調に成長しています。

丸尾知司選手

丸尾知司(まるお さとし)選手は愛知製鋼に所属する、50kmWをメインにした選手です。

2017年ロンドン世界陸上50kmWでは、5位入賞。

その後もコツコツ国内外の大会で成績を出しています。



2019年世界陸上と2020年東京オリンピックに期待が高まる

陸上競技のメダル候補筆頭

陸上競技でのメダルというと4×100mリレーのイメージが強くありますが、競歩もそれに負けていません。

ご紹介した選手以外にも素晴らしい選手はたくさんいますし、この下の世代、高校生にも有力な選手がいます。

以前は長距離で結果を出せなかった選手やけがをしてリハビリの一環として始めた選手が主でしたが、活躍する選手がたくさん現れたことで、最初から競歩に挑む中学生や高校生も出てきました。

2020年のその先も目指せる年代の大物選手がたくさん。

期待は膨らみます!

20kmWは10kmWに 50kmWは30kmWに距離短縮

しかし、競歩に大きな風が吹きそうです。

東京五輪を最後に、20kmWは10kmWに、50kmWは30kmWに距離が短縮されるというのです。

私個人の見解ではありますが、50kmWを主戦場にしていた選手にとって、20kmWもの距離の短縮は練習法が変わるなど、結構な痛手となる可能性があると思っています。

それでも今の日本の競歩は強く、明るいです。

距離変更に対応し、競歩大国日本となることを強く願ってやみません。